昔は松林の高さが低く、海が見渡せる景勝の地であったことから、村上藩主の巡村や幕府の巡見使の藩政視察の際などにはこの地に定紋入りの幕を張ったといわれています。
また村上の殿様の奥方や奥女中もこの地に幕を張り巡らして、一日の遊山を楽しんだといわれています。
このような由来から、愛称としての『お幕場』という言葉が生まれたと思われますが、いずれにしてもここの松の姿が美しいことから呼び伝えられてきたことです。 なお この『お幕場』には松尾芭 蕉をはじめ 伊能忠敬、吉田松陰らの多くの著名人も訪れたといわれています。
『お幕場の松林』は藩政時代から現在に至るまで大切に保護管理され 暴風、防砂に大きな役割を果たしてきたとともに
貴重な動植物の生息地も担っています。
また昭和62年(1987)には『日本の白砂青松百選』の指定を受けるなど、その美しい松林の姿も広く知られています。
現在ではお幕場森林公園が作られ3つのコンセプトを持ったエリア(お幕場エリア、大池エリア、砂山エリア)があります。東屋、遊歩道が整備され自然観察やレクリエーションの場として利用されています。
昔を偲んで毎年5月の第3日曜日に地域団体主催の盛大なお茶会が行われています。塩谷地区では毎月第一日曜日にお幕場散歩をして多くの方が参加しています。
※まだお風呂が火をおこして沸かしていた頃は、種火をつけるための松葉集めが子供たちの仕事だったそうです。
私は、幼いころ保育園の秋の遠足でお幕場に行ってキノコとりをしたことを思い出します。
松葉の下に隠れた キダケやオバタケを夢中で探し、マツタケを見つけたつわものもいました。
松林の地面が砂で、そこに木漏れ日が当たりキラキラしていてとてもきれいだったことを覚えています。